ブルーロックに学ぶ勉強におけるFLOW

〜 圧倒的な集中力を生み出す「難易度」の魔法 〜

【前半】FLOW(フロー)とは何か?

大人気漫画『ブルーロック』。エゴイストなストライカーたちがしのぎを削る熱いストーリーの中で、私たちが日常生活でも活かせる非常に興味深い心理的アプローチが登場します。それが「FLOW(フロー)」です。

ブルーロックにおける「FLOW」

コミックス13巻で詳しく語られている「FLOW」。それは一言で言えば「精神の『没頭状態』」です。

人間が自らの能力を最大限に発揮し、時間を忘れるほど何かに集中している状態を指します。

ブルーロック13巻145Pより引用
ブルーロック13巻145Pより引用

この奇跡的な没頭状態は、決して偶然起きるものではありません。

人間が自らの「最適経験」を重ねることで意図的に獲得できるものだとされています。

FLOWに必要な「挑戦的集中状態」

では、どうすればその「最適経験」を得て、FLOW状態に入ることができるのでしょうか?その鍵となるのが「挑戦的集中」という状態です。
これは、自分の現在の「能力」と、取り組む課題の「難易度」のバランスによって決まります。例えば、RPG(ロールプレイングゲーム)を想像してみてください。

ブルーロック13巻150Pより引用
ブルーロック13巻150Pより引用

あなたがLv.20の騎士だとします。

目の前にLv.1の弱いスライムが現れました。簡単に倒せますが、こればかり繰り返していても「簡単すぎてつまらない(退屈)」ですよね。集中力はすぐに切れてしまいます。

逆に、いきなりLv.50の凶悪なドラゴンが現れたらどうでしょう。全く歯が立たず、成功する可能性が信じられません。
すると人間は「難しすぎて不安(つまらない)」と感じ、やはり集中を放棄してしまいます。

グラフで見ると一目瞭然です。能力に対して難易度が低すぎても(青いエリア)、高すぎても(緑のエリア)人は没頭できません。
その中間にある、「今の自分にとってギリギリクリアできるかどうかのライン」。

こここそが、人が最もワクワクしてのめり込む「挑戦的集中」のエリアなのです。

【後半】勉強におけるFLOW

ここまでスポーツやゲームを例に話してきましたが、実は「勉強」においても全く同じFLOW状態が存在します。

「机に向かってもすぐスマホを触ってしまう」「いくらやっても頭に入らない」と悩んでいる人は多いでしょう。


それはあなたの「気合」や「やる気」が足りないからではありません。

取り組んでいる勉強の難易度が、今の自分の能力と合っていない(挑戦的集中に入れない)ことが最大の原因かもしれないのです。

自分の現在地を知り、難易度を調整する

中学3年生の数学を例に考えてみましょう。

学校の授業では現在、中3レベルの「展開」「因数分解」「二次関数」を習っているとします。
学校の平均的な成績の子(図の「中3平均」のライン)であれば、この学習内容はちょうど良い難易度となり、「挑戦的集中」に入ることができます。

しかし、もしあなたが数学に苦手意識を持っており、基礎がまだ固まっていない状態(図の「自分」のライン)だったらどうなるでしょうか?

この状態のあなたにとって、中3の二次関数は「Lv.50のドラゴン」と同じです。
難しすぎて何から手をつければいいか分からず、結果的に「不安」や「退屈」に襲われ、集中力が切れてしまうのは当然なのです。

【解決策】思い切ってレベルを下げる勇気を持つ

今の自分にとって難しすぎると感じたら、前の範囲に戻ることが最善の策です
中3の内容が難しければ、中2の「文字式の計算」や「一次関数」に戻って取り組んでみてください。
そこが今のあなたにとっての「挑戦的集中」のエリア(図の黄色の丸部分)であれば、嘘のようにFLOWに入って集中できるはずです。

時には、中1の内容、あるいは小学生の算数(分数や小数の計算、割合など)に戻る必要があるかもしれません。
「中学生なのに小学生の内容をやるなんて...」と恥ずかしがる必要は全くありません。
知識が足りなくて中1の内容すら「難しすぎる」と感じるなら、小学生の内容を完璧にすることこそが、あなたが最速で没頭し、結果を出すための「最短ルート」なのです。

まとめ

ブルーロックが教えてくれる「FLOW」の法則は、勉強という日常の戦いにおいても強力な武器になります。

「自分が今、勉強に集中できていないのなら、それは自分の能力に対して、課題の難易度が合っていない(高すぎる、または低すぎる)可能性が高い。」

集中できない時は、一度立ち止まって自分の現在地を見直してみましょう。

自分にぴったりの「挑戦的集中」のラインを見つけた時、あなたは時間を忘れるほどの没頭状態を手に入れているはずです。