探求心についてまとめた論文(日本語)

 探求心についてどんな人がどんな内容をまとめているのか調べる目的で論文検索(日本語)を今日は行った。今日読んだ3報に共通する内容として、「主体性」「子ども同士の気づき」「方向性を示す」が探求心の向上には重要であると記載があった。

論文のタイトル:《幼児教育》 好奇心や探究心を育む環境構成と援助の工夫 ~砂や土とかかわって遊ぶ楽しさを通して~

 

論文の要約:この論文は、幼児が身近な自然環境に親しみをもち、砂や土とかかわって遊ぶ直接体験を通して、好奇心や探究心を育む環境構成と援助の工夫について研究したものである。著者は、幼児期の知的発達の基礎は、好奇心や探究心の芽生えにより培われると考え、幼児が主体的に環境にかかわるためには、教師が幼児の視点に立って計画的な環境の構成をする必要があると指摘する。また、教師は、幼児の内面の動きを共感し、友達とのかかわりを通して感情体験を共有するような援助をすることが大切であると述べる。具体的には、年間指導計画を作成し、砂や土遊びに視点をおいた実践を行った。その結果、幼児は砂や土の性質や特徴に気付き、様々な方法で遊びに取り入れるようになった。また、幼児同士が一緒に考えたり、工夫したり、感動したりする姿が見られた。著者は、このような実践が幼児の好奇心や探究心を育み、思考力や表現力等の基礎を培うことにつながったと考える。最後に、今後の課題として、幼児一人一人の個性や発達段階に応じた援助や評価方法の工夫が必要であると述べる。

 

参考文献:那覇市立神原幼稚園教諭 上原 かをる (2003) 《幼児教育》 好奇心や探究心を育む環境構成と援助の工夫 ~砂や土とかかわって遊ぶ楽しさを通して~. 沖縄県教育委員会.


論文のタイトル:「幼児期の探究心を育てる人的環境について ――保育者の援助を中心に――」

 

論文の要約:この論文は、幼児期の探究心を育てるために必要な人的環境について研究したものである。著者らは、保育者が子どもたちの探究心を引き出すためには、子どもたちが自分で考え、自分で行動することを促すことが重要であると指摘する。具体的には、保育者が子どもたちに対して、質問を投げかけたり、問題解決の手段を提供したりすることで、子どもたちが自分で考え、自分で行動する力を養うことができるという。著者らは、このような保育者の援助が幼児期の探究心を育てる上で重要であると考えている。

 

参考文献:「幼児期の探究心を育てる人的環境について ――保育者の援助を中心に――」(北岡宏章・前田信美)


論文のタイトル:「科学的探究心を高める学習指導の在り方-鹿児島の豊かな自然を教材として-」

 

論文の要約:本研究は,生徒の「科学的探究心」の向上を図ることを目的とし,鹿児島の自然を生かした教材を用い,生徒が主体的に学習する理科学習指導の在り方について研究したものである。具体的には,鹿児島の豊かな自然を教材化することで生徒の興味・関心を高める視点と,探究の過程に基づき,各自が見いだした疑問点について,解決への見通しを立てさせ,目的意識をもって実験,観察を行わせるという視点から学習指導の工夫を行い,授業を通して検証した。

 その結果,グループごとに異なる課題を見いだし,主体的に観察,実験を行う生徒の割合が増加した。また,結果に対する自分の考えを表現できる生徒の割合も増加した。さらに,実験の結果や考えを基に新たな課題を見出せる生徒も見られるようになり,生徒の科学的探究心は高まったと考えられる。

 

 

参考文献:「科学的探究心を高める学習指導の在り方-鹿児島の豊かな自然を教材として-」(岡野 智和)